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  VOICE   No.1  

平成13年11月

ニュースレター発行にあたって


 今月より、ニュースレターを発行いたします。このニュースレターを通して、みなさまと一緒に、より良き「私教育」のあり方について考え、それを「実践」して行きたいと思います。ご意見・ご感想・ご質問・とりあげて欲しい話題などがありましたら、TEL・FAX・アンケート用紙、またはホームページから、お気軽にお問い合わせ下さい。

このニュースレターは、毎月発行する予定でおりますが、私(編集発行人三木)の都合で、発行が遅れる月があるかも知れません…。その場合は、お許しください。(笑)




釧路と帯広の教育事情


 釧路と帯広は、距離的にも近い、道内の中核都市でありますが、受験事情と教育事情には大きな隔たりがあります。

十勝のみなさまへ…。釧路市では公立高校の実質倍率は、(以前はそうではなかったのですが)約1.0倍です。倍率にもよりますが、実際には、入試の合計点が30〜40点(300点満点)であっても、市内の公立高校に合格することが可能なのです!つまり、「選ばなければ、誰でも市内の公立高校(普通高校)へ通える」のです…。

市内には、全日制普通高校が7校(職業科併設が2校)、同職業高校が2校、私立高校が1校、ほかに国立工業高専があります。定員割れをする高校も多く、毎年二次募集があります。(ですから、中学浪人をする生徒は、現在では絶無に等しいのです)十勝地区のように「塾へ通うのは当たり前」という風潮は、今はありません。(我々にとっては、悲しい限りです)入試の倍率自体が低いわけですから、年々、通塾率は低下の一途をたどり、少子化も手伝い、どこの学習塾も閑古鳥が鳴いている状況なのです。(生徒とご父母の皆さまのご支援をいただき、おかげさまで、当釧路愛国教室にはたくさんの生徒が通っています。ありがとうございます!)十勝の教育熱の高さとは、隔世の感があります。

釧路のみなさまへ…。釧路市と、人口も高校受験者数もさほど変わりませんが、帯広市には普通高校は3校しかありません。市内の公立高校へ通うためには、180〜190点!が「ボーダー」になるのです。(本当ですよ)選ばなければ市内の公立高校へ通えるという釧路とは大違いなのです…。隣接の町の公立高校でも、ボーダーは140〜150点です。つまり、釧路市内の中堅高校と同等か、それ以上のレベルにあるわけです。ですから十勝地区は、当然に受験熱も学習塾への通塾率も高く、「小学生から塾へ通う」ということが一般化しているのです。

釧路と帯広は、距離にして約120キロしか離れていないわけですが、みなさまはこの差をどうお感じになられますか?(全然関係ありませんが、十勝では、北海道新聞を朝刊だけで購読できるのです。釧路の方にはうらやましいですね!)




「入塾制限」?ちょっと待った!


 さて、みなさまは「入塾制限」を設けている学習塾、具体的には「主要5教科がオール3未満であれば塾へは入れません」とか、「英数のどちらかが3未満であれば塾へは入れません」といったような学習塾をどう思われますか?私は、昔から、心底(!)頭にきているのですが…。

学習塾へ通うということは、生徒それぞれに違いはあるものの、全員が「成績を上げよう」と思っているわけです。わざわざ「名指し」で来ていただいた「お客様」を追い返すとは…。食事をしようと思い、どこかのお店に入ったら、「あなたは当店にはふさわしくありません!」と入店を拒否された…。「入塾制限」とは、それと同じではないでしょうか?

私がお世話になった、釧路地区最大手の学習塾である某会には、創業以来「入塾制限」なるものは存在しません。私はそこで、上は道内トップクラスの生徒から、下は読み書きすらままならない中学3年生まで、あらゆる学力のたくさんの生徒の指導を通して、学習塾講師のイロハを学んだ、いわゆる「叩き上げ」(?)なのですが、「入塾制限を設ける、本当の理由」を暴露しますと…、

実は、低学力の生徒を指導するには、講師にかなりの力が求められるのです。一般的には、「学年トップクラスの生徒を指導するのは困難では?」と思われていますが、事実は全くの逆なのです。(高校生は別ですよ)そもそも、基礎学力が大変に高いわけですから、適切な指示を与えるだけで、簡単に成績は上がります。ここは非常に重要なので、もう一度言います。実は、「成績優秀者・超優秀者(小・中学生)を指導するのは、簡単」なのです。(ですから、その指導を困難だという学習塾講師がもしいたならば、その指導力は…?)

一方、成績の良くない生徒には、いつの世にも「素行不良」の生徒が多く存在します。(私自身もそうでした。反省…)それらの生徒の指導は、正直、骨が折れます。(ここだけの話ですが、殴りかかってくる生徒を鎮圧したことも何度かあります)「勉強をしよう」という決意も、残念ながら長続きしないことがしばしばですから…。しかし、私は「悪ガキ」連中が大好きです。(ヤル気のある「悪ガキ」は、ウチの教室に通いなさい!)




入塾制限からの逆算。学習塾のホンネ


 学習塾を経営する側のホンネを告白しますと、どこも「実績」が欲しいのが事実でしょう。「あの塾は○○高校に何人も合格させている」という声は、経営上の追い風になりえるからです。成績を上げやすい生徒を多く確保し、実績に反映されにくい、成績の上げにくい生徒、素行不良の生徒は当然に排除する。そのために「オール3」の入塾基準が必要になるわけです。

さて、肝心の授業ですが、講師が説明・解説をして、一定のテキストを用いて演習を消化する。そこまでは大体どこの塾も同じなのですが…、全員に「予習」を義務付ける塾、全員に「宿題」を大量に出す塾、私はそれらの塾に大きな疑問を抱きます。(当教室でも「宿題」を出しますが、その第一の目標は「家での学習」を習慣化させるためです)理想を言えば、生徒一人一人がしっかりと「予習」をして、講師が一人一人の理解度を把握し、全員に理解をさせ、演習を行う。それがベストでしょうが、現実はそうはいきません。そもそも、いくら指示をしても、大半の小中学生は「予習」などできません。なぜなら、肝心の「勉強の仕方」がわからないわけですから…。

ですから、ある程度の力がある講師なら、生徒に興味を持たせ、しっかりと「理解」させること、つまり「わかる・できる」と自信を持たせることを第一と考え、その後に、「生徒の能力に応じて」適切な演習を指示するはずです。決して生徒の「予習」や、「宿題」の「量」に頼ることなく、生徒の「やる気」を引き出し、自発的に学習へ取り組む方向へ生徒を導くはずです。私見ですが、入塾制限を設ける理由をまとめると、

  1. 成績下位者の指導は困難ですからお断りします。
  2. 素行不良の生徒には関わりたくありませんからお断りします。
  3. 成績の上げやすい生徒だけ来てください。

そう言っているようにしか思えません。

また、生徒の能力を無視して、予習・宿題に必要以上に重きを置く学習塾は、最初から「ウチは講師の指導力は高くありません」と言っているようにしか思えません…。ちなみに、一番成績を上げやすい生徒は、「学習塾へ通ったことがないオール3前後の生徒」です。3を4にするのは、さほど困難なことではないからです。ともあれ、名指しは避けますが、偉そうな「教育理念」とやらを広告に大きく掲げながら、一方で成績弱者を救おうとしない学習塾が、多数あるわけです。




講師雑感1 〜縞次郎の話〜


 現在、我が家には5匹の猫がおります。4匹の時点で、「もうこれ以上飼わないようにしよう」と決めていたのですが、昨年、当釧路愛国教室の中3生であったAさんが拾った猫が、なぜかいつも私の横で寝ています…。

教室の近くの公園に、子猫が数匹捨てられていたそうです。Aさんと友達は、子猫たちをかわいそうに思い、餌を与え、昼は公園に置いて、夜は一日づつそれぞれの家に連れてきたりしていたそうです。ところが子猫たちは、とても小さかったので、何匹かは死んでしまったそうです。Aさんの家では、犬を2匹飼っているので猫は飼えないとのことでした。

「先生、お願いだから先生の家で、何日か預かって!」と頼まれ、押し切られた私は、「飼い主が見つかるまでだぞ」ということで預かりました。Aさんが子猫を教室へ連れてくると、とても小さくて、私の手のひらの上で、スースー寝息をたてて眠ってしまいました。子猫は本当にかわいいものです。家へ連れて帰り、当初は体力が弱っていて、「だめかも知れない」と思ったのですが、数日ですっかり元気になりました。

ところが、こいつは、とんでもない「きかん坊」でした!子猫のくせに、他の4匹の「先輩」に戦いを挑んで、追いかけ回す始末です!実は、友達に「子猫を飼ってくれる人を知りませんか?」というメールを出していて、そのうちの一人から、みつけたとの返事をもらったのですが、「ありがとう。でも飼い主は決まってしまいました。ごめんね」という返事を出しました。

飼い主とは…、そう私です!命名「縞次郎」。私の腕の傷は、全て彼の攻撃によるものです。相田さん、縞次郎は今日も元気いっぱいだよ。ヘンテコリンな猫をありがとね!(でも、もう猫はいりません)