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平成14年1月
新年、明けましておめでとうございます。本年も、昨年同様、よろしくお願い申し上げます。さて、明光義塾釧路愛国教室・明光義塾帯広鉄南教室では、1月末までが「冬期講習会」期間となっています。(中3生は2月末日、高3生はセンター試験・二次試験直前まで) 例年、風邪が流行る時期です。塾生のみなさん、特に、勉強に燃える受験生のみなさん(燃えていない人はいませんよね!)は健康管理にご注意を。スタッフ一同、生徒の学力向上のため、今年も頑張って参ります!
これは、生徒からいつも受ける質問です。「将来、役に立つの?」「生きていく上で、本当に必要なの?」との質問もいつも受けます。(公文式のテレビCMでもやっていますね!)学歴社会といわれた、少し前の時代であれば、「良い成績をとって、良い大学に入って、一流企業に就職すれば…」といったような、暗黙の図式があり、先ほどのような質問に対し、大人たちも、一方では「それは違うかも…」と思いながらも、そのように答えていたものです。 しかし、大リストラ時代といわれる現在では、大卒の学歴などは、(一部の超一流・一流大学、特定の国家資格者や技術者を養成する大学を除いて)塾講師の私がいうべきではないのかも知れませんが、現実には、「あれば、ないよりはまし」程度のものでしかありません。特に女子の場合は顕著ですが、(企業側から見ると、一般に、人件費が高くつくわけですから)四大卒が逆にあだになり、大学は卒業したものの、就職ができないという状況(そのために、大学院への進学が増えています)や、一般にはあまり語られていませんが、一部の一流企業では、高学歴で高賃金の者が、まず真っ先にリストラの矢おもてに立たされている(外資系大企業などでは、MBA=米国経営学修士の有資格者などは、成果を出せなければ、即、リストラの対象となるそうです)という状況では、「勉強」をすることの意義を、大人も子供も見いだすことが難しい時代かも知れません。
生徒数が減り、学習内容も削減され、高校や大学の門戸は年々広くなり、入試の競争自体が減っているわけですから、年々、確実に学力低下が進行しています。(最近は、いわゆる「がり勉」の生徒をほとんど見ることがありません)しかし、逆の面から見ると、全体の学力レベルが低下しているので、「少しの努力」で成績上位に到達できる時代です。受験地獄世代からいわせれば、その意味では「良い時代」といえるかも知れません。 さて、話を戻しまして、
といった生徒の質問に対して、私はいつも以下のように答えています。 1.に対しては、「将来の進路の、選択肢を増やすため」、「将来に向けて、物事を考える思考力を養うため」、「知識が生活を豊かにしたり、生活に潤いを与えるものであるから」と答えます。 最初の答えは、月並みではありますが、自分の可能性を広げるという意味です。次の答えは、特に数学などで論理的に物事を考えるという作業は、冷静に客観的に物事を考察する姿勢につながるという考えによります。最後の答えは、知っているか知らないかの差が、仕事や日常生活の上で損得(極端な例ですが、例えば、公的扶助=生活保護という日本の社会保障制度を知らないがために、餓死した人がいます)にまで及んだり、小さな知識が、日常生活に潤いを与える場合があるという考えです。 2.3.に対しては、「多分、全部は役に立たないよ。人によって、役に立つ・立たない教科は違うけど、でもどれかは必ず役に立つよ!」と答えます。 生徒:「だって、ウチのお父さんとお母さん、中学や高校の勉強なんて、普通に生きていく上で、役に立っていないっていっているよ!」 私:「家族で、たまにクイズ番組は見る?」 生徒:「うん、見るよ」 私:「クイズ番組ってね、特に国語や社会科なんかで学校で習った知識の問題が多いんだよ。雑学とか一般常識っていうのだってそうなんだよ。で、だれが一番正解する?」 生徒:「お父さんかな?」 私:「ってことは、お父さんが生きていく上で、ちょっとは役立っているんじゃないのかな?」 生徒:「う〜ん…」 私:「知識ってのは、生活に、ほんの少しかもしれないけど潤いを与えるものだから、やっぱり、ないよりもあった方が良いんじゃないのかな?」 生徒:「う〜ん…」 こんな会話もしばしばです。 もっと単刀直入に、例えば、「中学の数学って、特に二次方程式とかって、本当に役に立つの?」と聞かれれば、「いいや、日常生活では、ほとんど使わないよ!」と正直に答えます。「でも、百分率・%の計算くらいできなきゃ、消費税とか割り引きの計算はどうするの?例えば、25%オフで買った商品の、税込みの代金とかの計算はどうするんだ?」(ここで、「レジで言われた通りの金額を払えばいいっしょ!」と言う生徒には、絶句しますが…) 「でもねぇ、将来エンジニアになりたい人なんかには、中学・高校の数学の知識は、絶対に避けて通ることができない知識なんだよ」などと話したり、国語の読み書きの力が不足している生徒に、「読めなきゃ、書けないんだぞ。将来会社に勤めて、上司に、○○さん、これをパソコンで打って。なんていわれても、読めない漢字だらけだったら、どうするんだよ?」とか、英語については、将来、仕事の上で英語力を求められる機会が、実は多いことや、「俺は、英語は全然ダメだけど、読み書きがしっかりできれば、インターネットももっと活用できるし、話せたら、ちょっとカッコいいかもねぇ。もう少し勉強しておくべきだっなぁ(反省)」などと話します。 社会科については、「将来、みんなは、日本のあちこちに行くだろうし、海外旅行にもきっと行くと思う。だから地理の知識はあった方が絶対に役に立つ!歴史についても、知らないよりも知っている方が絶対にいい!公民だって、世の中の仕組みを、広く勉強する教科なんだぞ。みんなは日本の一員として生きていくわけだから、日本のことをもっと知っていた方が絶対に良いに決まっているべ?例えば公民の××を知らなかったら…」(私は、長年、社会科専任講師をしていたので、「なぜ社会科を勉強すると役に立つのか?」というこの話は、延々と続いてしまうので省略します!) ともあれ、中学校の学習内容には、生徒たちの将来の自分にとって、役に立つ部分もあれば、役に立たない部分もあるわけですが、学習内容が専門的になる高校のそれと比べて、はるかに実生活に近い要素を含んでいる(英語では会話調のものが、数学では身近な例に置きかえた文章題などが、教科書に多く取り入れられています)わけで、将来に向けて、ある程度まんべんなく学習をする中で、1.の「将来の選択肢を増やすため」という説明をしています。保護者のみなさまも、私の以上のような説明の中で、使える部分があれば、ぜひ使ってください。(笑)そして、ご家族で「なぜ勉強をするべきか?」について、お話しをしてみてください。そして、どのようなお話しになったかを、ぜひ教えてください。
さて、当然のことですが、勉強ができるできないが、その人の人間性を決めるものではありません。その意味では、勉強などどうでもいいということになりましょうが、我々は学習塾の講師であるわけですから、勉強をすることを通して、縁あって知り合った生徒たち全員に、勉強以上の大切な「何か」を学んで欲しいと、常に願っています。 ここだけの話ですが、私はこの仕事に就く以前は、「学習塾など、必要悪に過ぎない!」そう強く思っていました…。学習塾というのは、講師も生徒もはちまきをしめて、ただひたすら、試験と受験へ向けて、点数を上げることのみを目指す非情な空間。そういうマイナスのイメージを強く持っていたので、よもや自分がその仕事に携わることになろうとは、夢にも思っていませんでした。(苦笑) さて、では現実の学習塾はといいますと…。できる生徒ばかりじゃありませんでした!(笑)そして、なかなか明るく楽しい空間です。ともあれ、「わかる・できる」という、小さな充実感。そして、自分の能力に応じた努力。「やればできるんだ!」という自信は、将来に向けて、必ずプラスになると信じます。塾生のみんな、頼むよ!
正月に、学生時代の同窓会(釧路市Pホテルにて)があり出席したのですが、先月号でお話ししたK君、何と、わが同窓会の担当ホテルマンだったのです!まったくの偶然…。久々の、劇的な再会(?)にとても驚きました。彼は、仕事をテキパキとこなしていました。かつての教え子の「働く姿」を見ると、とてもすがすがしい気分になります。(負けちゃいられません!) 仕事中の彼を引き止めて、長話をするわけにもいかないので、あまり話すことはできませんでしたが、「K、今度飲みに行くべ。連絡ちょうだい」と名刺を渡しました。新年早々の、「ちょっといい話」でした。(笑)
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