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平成16年11月
最近、「読み・書き・計算」の重要性がクローズアップされています。これは、読み・書き・計算ができればそれで良いというのではなく、読み・書き・計算をできることが最低限の基準で、小中学生は全員がキッチリとそれを身につけなくてはならないという意味です。 はっきり言ってしまえば、世の中を普通に生きていく場合、関数や方程式、英語ができなくて困るという場面はほとんどありませんよね(笑)!しかし、基本的な読み・書き・計算の力が身についていなければ困るというのは事実です。何をしようにも、実生活ではこれらが身についていることが必要です。 「何を今さら、読み・書き・計算って?」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、子どもたちの学力低下はそこまで深刻な問題になってきているのです。逆に言えば、学力低下を防ぐためには、読み・書き・計算の徹底した反復学習が効果的と言えるのです。今回は、読み・書き・計算と基礎学力、その後の学習の関係について考えてみたいと思います。
明確なデータの存在を知らないので、厳密に検証することはできませんが、私教育の最前線で、年々子どもたちの「語彙力」が低下してきていることを痛感します。私は、学力低下の本質はこの部分、つまり日本語の語彙力の低下と密接な関係があると考えています。 語彙力が不足すれば、文章を読んでそれを理解する力、文章を書く力、つまり読解力・作文力も劣ることになるでしょう。場合によっては、「問題の意味自体が理解できない…」という状態にもなってしまいます。私は、『語彙力の限界が、読解力・作文力の限界である』と思うのです。高校生の英語の語彙力が低下してきているとの報告があります。日本語の語彙力が低下しているのが大きな原因ではないかとの考察でしたが、私も同感です。『語彙力の低下→読解力・作文力の低下→基礎学力の低下』という図式が成立すると考えます。
近年、ハリーポッターが大流行したことにより、一部の子どもたちは読書の楽しさに目覚めたといいます。その結果、成績が向上した。そのような効用を検証したデータが存在するそうです。言うまでもなく、読書には限りない効用があります。語彙力も、読書を通して自然に養われるものです。『語彙力の限界が、読書力の限界』ならば、読書を重ねるほど自分の知識・能力を広げることができるのですから。 塾生のみなさんにも、ぜひとも読書の習慣を身につけて欲しいと願っています。ところが、現実はなかなかな難しいものです(苦笑)。「先生、明日用事があるんで、塾に行かないから」「ん?お前、今塾にいるんだよな。行かないって言い方、おかしくないか?」「え、何でさ?」塾生との日常会話です。相手は中学生や高校生です(涙)…。塾生のみんな、頼むから読書をしてね!
では、「計算力」の方はどうでしょうか。ご存知のように、小学校で習う算数の計算力はその後の学習の土台となります。語彙力と同様、近年子どもたちの計算力も低下してきています。全体的に、計算スピードが以前よりも遅くなってきており、間違いも多くなっています。 百マス計算で有名な陰山英男氏(現・土堂小学校校長)によると、百マス計算を解かせると、『経験上、足す・引く・かけるがそれぞれ3分を超えると、全体的に計算上のミスが増え、5分を超えるようだと桁数の多い筆算などはできないなどの問題がでてきます。ですから、逆に言うとこうしたレベルに達することが目標になります。実際には、足す・引く・かけるがそれぞれ2分以内が目標になります。実際指導してみると、ほとんどの子どもはこの目標を達成できます』とのことです。当教室でも、一部百マス計算を並行して学習している塾生もいますが、効果は大きいと考えます。
「脳を鍛える 大人のための計算ドリル」(川島隆太著/くもん出版)・「脳を鍛える 大人のための音読ドリル」(同)が隠れたブームになっています。問題は、小学校低・中学年レベルの簡単なもので、なぜ売れているのか疑問だったのですが、脳を活性化させるのに大きな効果があるらしいのです。 今までは、難しい思考をすればするほど、脳は活発に働き発達するように思われていましたが、最近の脳研究の発展により、意外にも「単純計算」と「音読」こそが脳そのものを健康に保ち高機能にすることがわかったそうです。このように、読み・書き・計算の効用は子どものみならず、成人の脳の老化防止にも大きな効果があるらしいのです。
陰山氏は、読み・書き・計算に重きを置く学習の理由を、『子どもに確かな学力を育てるには、読み書き計算の力をしっかりとつけることです。それは、知識というものは、言語と数字によって成りたっているからで、知識を成り立たせている獲得言語が豊富であり、数的処理が速く正確であることが、確かな学力の土台となるからです。また、最近はやりの自主学習というものも、それぞれの学習活動の中身は読み書き計算ですから、読み書き計算に習熟することは、自主学習の土台ともなるものです』と説きます。(同氏のサイト「陰山学級物語」より引用。http://www2.nkansai.ne.jp/sch/hpkage/) 「知識は言語と数字によって成り立っている」との考えは、実に達見だと思います。知識を身につける以前に、基本的な語彙力と計算力を身につけることがいかに大切かが、氏の主張からもお分かりいただけると思います。 ゆとり教育の推進論者は、「それは従来の詰め込み教育の典型で、そんなことで真の学力は身に付かない」とでも反論しそうですが、基礎の基礎の部分を徹底した反復練習で覚え込むからこそ、計算力や漢字力・語彙力が身につき、そこで自信がついて授業が分かるから、その後の学習を進めていくことができるのではないでしょうか。自身を持てば興味を持てるものです。計算力がない、授業が分からない状態であれば、自信を持てるはずもありません。興味が湧かないのは当然と言えるでしょう。文部科学省の言う「生きる力」どころの話でありません。 昔の人が言った「読み書きそろばん」というのは、生きるために最低限必要なものであり、それは否応なく覚えなければならないものです。基礎の基礎の部分を徹底的に覚え込むことは、詰め込み教育とはまったく異なるものです。この点がきちんと理解され、その上で子どもたちを指導するなら「ゆとり教育」も悪いものではなかったはずですが、この肝心なスタート部分を取り違えたために、問題だらけになってしまいました。 陰山メソッドは中学でつまづかないこと・中学の学習にスムーズに移行するために作られたものです。プロの学習塾講師である我々から見ても、実に理にかなったものです。しかしながら、公教育でこれを実践するのは難しいでしょう。こういう時こそ、我々私教育の出番です。私教育こそが頑張らなければなりません!私たちも基礎の徹底を重視すると言う点ではまったく同じなのです。
・語彙力を増やすと読解力・文章力が向上する。 ・読書には計り知れない効用がある。 ・語彙力を養うには読書が一番。 ・脳の老化防止に単純計算と音読が効果あり。 ・知識は言語と数字によって成り立ってる。 ・基礎の基礎は徹底した反復練習で覚え込むことが必要。 ・ゆとり教育と「読み書き計算」は切り離して考える。
「あそこのラーメン屋さんは美味いよ!」との情報を聞き、ラーメン好きの私、またまた現地調査(?)へ行ってきました(~o~)。今回は、益浦の夏堀さん。昼時に行ったのですが、すごいですねー!行列ができていました。 待つこと十数分。ちぢれ細麺にあっさりスープの釧路ラーメン(醤油ラーメン)。私は、こってりもあっさりもどちらも好きなのですが、いやぁ、夏堀さんの醤油ラーメン、美味かった♪とろけるチャーシューが絶品で、麺もスープも素晴らしい!おまけに、マスターと店員さんが実に感じがイイ!もう、一発で夏堀さんの大ファンになってしまいました。みなさまのおいしい店情報も、ぜひ教えてくださいね♪
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