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  VOICE   No.20  

平成17年2月

子どもたちの価値観の変化


職業柄、いつも子どもたちと接していますが、子どもたちの価値観が、年々変化していることを感じます。「学歴や地位・財産よりも、自由で楽しく生きたい。個性や感性を発揮して、自分らしく生きたい」このように考える子どもたちが増えています。

この考えの背景には、学歴社会の崩壊、長引く不況や雇用不安のほかに、インターネットやパソコンの普及によって、労働力自体の価値が下がっていること、社会の発達により価値観が多様化していること、エリートとしてのホワイトカラーの必要性が薄れたことなどが挙げられると思います。

また、近年は、学歴よりも専門能力や技能が評価されてきているのも、ご存知の通りです。前述の子どもたちの価値観には、賛否両論があるでしょうが、私は基本的には賛成です。自分の本当にやりたいことを職業とするなら、それは天職になると思うからです。反面、「やりたいことが見つからない・やりたいことが分からない」として、転職を繰り返す若者や、定職につかない若者が増えているのは、やはり考えものです。




才能の方程式とは?


先日、ある本を読んでいたところ、「才能の方程式」なるものを目にしました。【才能の方程式 長所×好きなこと×夢・願望・やりたいこと=特別な才能】というものです。自分の長所、好きなことを知ることにより、やりたいことが見えてきます。私たちは、長所を活かしている時、集中力・持続力・想像力が大きく働き、才能が豊かになります。

私は、ビジネス書や自己啓発本の類をよく読むのですが、最近は、「自分の好きなことを職業にしよう」というものを多く見かけます。以前は、「好きなことは趣味にしておけ」といった忠告や助言をよく耳にしたものですが、本当に自分が好きなことに打ち込んでいると、人は情熱的になり生き生きと輝き、時間を忘れて没頭できるもの。だから、本当に自分が好きなこと・やりたいことを職業にしよう。というわけです。

少し前までは、「学歴が高ければ、職業の選択肢が広まるだろう」「将来の選択肢を広めるためにも、進学をしたほうが良い」「学歴が高ければ、出世するだろう」といった価値観が大勢でしたが、今の子どもたちの価値観は、「自分らしい生き方の選択」です。良くも悪くも、実にストレートな価値観だと思います。




才能を見つけるために


さて、子どもたちの才能を早い時期に知ることができれば、親としてはありがたいですね!それを見つけるには、書き出してみることが良いそうです。

@子どもの長所を、できるだけたくさん書き出してみる。A子どもの好きなことを、こちらもできるだけ多く書き出してみる。B過去に言ったことがある夢や、やりたかったことを思い出して書き出してみる。Cこのノートを気楽に書き続けてみる。(その際、子どもも交えて一緒に書くと、なお良い)すると、子どもの長所を理解し、好きなことを能力として発見し、親子で子どもの能力を見つけ、育てることができるというものです。

考えてみれば、「おしゃべりでうるさい」と注意される子は話し好きですし、「遊んでばかりいる子」は人を楽しませることが好きともいえるわけですから、短所に思えることでも、見方を変えるだけで長所になりますもんね!ご興味がおありの方は、ぜひ実行してみてくださいね!




天職に出会う方法


誰しもが天職と思える仕事に就ければ、それは本当にすばらしいことだと思います。フリーターと呼ばれる人の中には、明確な目標を定め、それを達成すべく必死になって頑張っている若者もいるようですが、残念ながら大半はそうではないようです。「今より良い仕事が、きっとあるはず」そう考え、一つの仕事に打ち込むでもなく、何度も転職を繰り返し、無駄に年を重ねていく…。残念ながら、そういう人が多いようです。言わば「青い鳥」を追い続けているのでしょう。

私の師匠は、「そもそも、『天職』かどうかは、やってみなければ分からないものだよ」「与えられた仕事を、全力を尽くして取り組む中で、『自然』に自分の進むべき道が見つかるものなんだよ」と説きます。

私自身の話で恐縮ですが、塾講師になったいきさつは別に高い志があったわけではないんです(笑)。20代前半のころから、「将来的に、○○士の資格で食っていきたいなぁ」と漠然と思っていたのですが、「学習塾講師なら、勉強の時間も取れそうだし、自分の勉強にもなるかなぁ?」といった、不純な動機(?)からなんです。あれから15年、いまだに学習塾講師をやっていますし、今は自分で学習塾の経営もしています。縁というのは不思議なものです。天職を見つけるって、こんなもんじゃないかな?って思うんです。




企業から若者への要望


先日、市役所に行った際に「釧路管内における 高校生の就職動態調査 報告書/平成16年度 釧路市」という冊子をもらってきました。この就職難の時代に、せっかく就職をしてもすぐに辞めてしまう若者が多いとのことですが、釧路市も同様。データによると、高卒で就職した人が1年以内に辞める割合は約20%、同3年以内に辞める割合は約40%になります。

企業側の「採用にあたっての留意点」では、1位「仕事への意欲」(68.1%)2位「基本的なマナー」(60.0%)3位「責任感・積極性」(39.0%)4位「学力・知識」(35.7%)5位「人柄・個性」(34・6%)となっています。

企業側の意見・要望として、私が気になったおもなものを挙げますと、「職業観も就職意識もない学生が多すぎる。口先だけの子も多い」「社会人としてのマナー又、会社組織の一員としての上司・先輩・同僚に対する協調性を身につけて欲しい」「親も『子供』を育てるから『社会人』を育てる気持ちで、離れて見守る必要がある」「親も子も(いやなら辞めればよい)意識がある」「学生時代に甘やかされすぎており、時間意識、コミュニケーション意識、責任感が欠けている」「社会人としてのマナーが大変欠けています」「一般常識の欠落、上下関係に対しての無知、言葉使いの稚拙さ、近年益々これらの事が感じられます」「家庭、学校で子供に対する意識、目的、マナーを家庭(家族)、学校(先生)ともども一緒になって考えてほしい。あまりにも稚拙すぎる」「『働く』ということの大切さ、大事さを『親』『学校』でキチンと教えてほしい」等。このように、基本的なマナーや勤労観・職業観、コミュニケーション能力を求める声が大半を占めます。




経営者頭になろう!


実は私、昔はもっとズボラな性格だったんですが、立場は人を変えるものです!(小さい規模ではありますが)経営者という立場になりますと、良くも悪くも、細かなことにも目が行くようになりました。例えば、買い物に行っても、気になるのは、商品の陳列のしかたや、清掃・整理整頓の具合、接客の応対などです。ある弁護士さんが、「法律の勉強をしているうちに、性格が180度変わってしまった」と言っていましたが、仕事というのは人を鍛えるものですね。私も、日々良い経験をさせていただいております。

さて、自分自身、被用者と使用者を経験してきましたが、塾生に伝えたいことは、「経営者頭(あたま)になろう!」ということです。仕事全体を見ること、全体のバランスを見ながら仕事をすること、快適な職場環境を維持すること、職場の和を保つこと。そして、企業として利益をあげること。経営者には、常にバランス感覚=総合力が求められます。

毎度しつこい(苦笑)ですが、これから求められる人材像は、「人がら」が良く「バランス力(総合力)」を身に付けた人です。経営者的なバランス感覚を身に付けた若者がいたなら、企業が放っておくわけがありませんからね!




オークションに学ぶ〜金銭教育〜


さて、ものすご〜く変なお話をします。あまりに変な話なので信じないでくださいね!実は私、「子どもたちが、社会の仕組みやルールを学ぶ場として、フリーマーケットやオークションが、とても良い勉強の場になる!」と真剣に思うんです。

私もたまに、インターネット・オークションで売買したりするのですが、とても勉強になります。商品をきれいにラッピングして送ってくれる方もいれば、汚いまま送る方もいます。中には詐欺も潜んでいたりして、まぁ色々な人がいて、いわば実社会の縮図です。基本的にみなさん、きちんとルールに従って、商品を売買しているわけです。

「物を売る」「物を買う」という行為を通して、人と接するにはどのようなルールがあるのか?基本的なマナーとは何か?どのように利益をあげるのか?社会的にしてはいけないこととは何か?これらのことを、体験を通して学ぶことができるのは、とても貴重なことです。

日本では士農工商の時代が長く続いたせいか、「お金を得ること≒良くないこと」といった考えが根強くあるようですが、今の時代は、経済活動とお金を抜きにしては生きていけないのが現実なわけですから、これからの子どもたちには、今までの教育に加え、「金銭教育」がより重要度を増すと思います。

さて、ここで今月のプレゼントを!(以下省略)