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平成 18年 7月 三つ子の魂百まで先月号の続きです。同じ両親に、同じような環境で育てられても、子どもって性格が違うものですよね。私も兄が一人いますが、小さなころから、性格も趣味もものの考え方もまったく違います。みなさんの所はいかがですか?上の子は几帳面で、言われなくても勉強をしっかりこなすのに、下の子は成績に無頓着で放っておいたら遊んでばかりとか、上の子はやんちゃできかん坊なのに、下の子はとてもおとなしいなど、本当に色々なケースがあるものです。学習塾講師を長年やっていますと、この部分を痛感します。 先月号でお話した、持って生まれた個性(先天的な個性)による部分って、本当に大きいものですよね。私自身は、「ひたすら寝てばかりいる赤ん坊」だったそうで、えー、実は今でもよく寝ます(笑)。「三つ子の魂百まで」とは、よく言ったものですよね。 向き不向きを書き出してみる学習塾講師という仕事をやっていると、塾生・卒塾生から、「将来への不安」「進むべき進路」を相談されることが多くあります。「好きなことが、なかなか見つからない」「自分が、どんな職業に向いているのかわからない」「どの道へ進むべきかわからない」「自分が社会人としてやっていけるかどうか不安」といったものです。自分がどんな個性を持っていて、どんな職業に向いているかは、わかりそうで意外にわからないものだったりします。早い時期にそれを知ることができたなら、職業観や社会人としての資質といったものも養われるかも知れません。そこで中学生・高校生におすすめしたいのが、向き・不向きを書き出してみて「消去法で考えてみる」というものです。 自分を分析してみる具体的に、こんな感じです。私三木を分析してみます。営業職は恐怖で、飛び込み営業なんてもってのほかです!ノルマがある営業も超恐怖です。【⇒営業職×】体力も、あちこち弱っている(笑)のでもうダメです。【⇒肉体労働・スポーツ系×】早起きが大の苦手で、朝が早い仕事はダメです。【⇒朝早い仕事×】大きな組織の中での、めんどうな人間関係はパスしたいです。【⇒大企業×】接客も得意じゃありません。【⇒接客業×】料理はできません。する気もありません。【⇒飲食系×】ファッションとかもうといです。【⇒ファッション系×】美術とか音楽とかのセンスもありません。【⇒美術系・芸術系・音楽系×】では、これならできそうだというもの。パソコンを使う仕事は苦になりません。【⇒パソコン系○】。ものごとを調査・分析する作業はわりと好きです。【⇒研究職・コンサルタント○】専門的な勉強はあまり苦になりません。【⇒専門職○】事務仕事はけっこう得意です♪【⇒事務職○】夜は強いです。【⇒夜遅い仕事○】うーん、 こうやって分析していると、私の仕事(学習塾経営・学習塾講師/社会保険労務士・行政書士)って、やっぱり向いているんでしょうね…。逆に、大きな会社に勤務しての、ノルマのきつい営業職とか、朝が早い接客業とかは、もう絶対にもちそうにありません。プレッシャーに負けて、病気になっちゃうかも知れません。 こんな感じで、書き出してみて消去法で考えると、残った職業に適性があって、「これはできるかも?」というものをピックアップしてみると、意外に簡単に向いている職業の方向性が見えてくるのではないかと思います。 「13歳のハローワーク」を読もうで、「これはおそらく向いているだろう」と思う仕事を、学生時代から1つでも2つでも経験してみるのが良いと思います。高校では、アルバイトを禁止している所が多いでしょうが、私はアルバイトに賛成です。ただし、学業に支障のない程度にですけどね(笑)。私も、色々やってみたクチです。バイク屋、板金塗装、測量、警備員、ビルの窓拭き、事務の補助などなど。アルバイト先で経験したことは、今でもとても役立っています。さて、ウチの教室長が先日、「13歳のハローワーク」を生徒用に買ってきてくれて教室に置いてあります。読んでみると、面白いですねぇ!いい歳こいて、「あ、いいなぁ質屋さん。実はやってみたいんだなぁ」とか、「おぉ時計士さん、カッコいい!」とか一人で盛り上がっています。(小中学生のころに読みたかったなぁ)あっ、でもこれって塾生のために買ってきたんだな。おーい、塾生のみんな、おもしろいから読んでみなってホント! 卒塾生からの相談ほぼ毎年といってもいいですが、卒業シーズンが近くなると、卒業をひかえた卒塾生(高校生・大学生)から電話がかかってきて、「先生、就職ないんだけど、どこかない?」「どこの会社を受けるべきか意見を聞かせて」といった相談を受けます。思い出してくれて頼りにしてくれるのって、ありがたいですね(感謝)!その際に、先ほどのような話になることも多いのですが、意外に多いのが、「面接についてアドバイスを下さい」というものなんです。私は経営者として、「経営者って、こういう部分を見ているから、面接ではこれこれこうした方がいいよ」という話をすると、みんな「え!」って驚くんです。近い将来、必ず塾生のみなさんの役に立つでしょうから、ちょっとお話しておきますね。 化粧のしかた!?高校入試の面接は、まぁ、どうでもいいんです。中学校の先生に教わった通りとか、教室で配るマニュアル通りにやってください。面接で落ちることなんて、めったにありませんから!←なんて無責任な学習塾講師(笑)!その先にある、「就職の際の面接試験」のお話です。昨年、釧路の某大学でおこなわれた、行政書士試験の試験監督官を担当させていただきました。その時に掲示物を見て知ったのですが、大学で、面接に向けた化粧のしかた(え!)とか、履歴書の書き方(お!)とかいったガイダンスってあるんですね。いやはや、驚いちゃいました…。私に言わせれば、「そんなの、本を読めばわかるべ?」「おいおい、ハタチ過ぎてんだろ?」ってなもんですが、現実には、そういうことすら学ぶ機会がありませんもんね。 面接の奥儀?さて、私は卒塾生から「面接のアドバイス」を求められると、必ずこう言います。@「手帳を必ず持っていくこと」面接官と話して重要と思われる所は、(相手にあらかじめ断っておいて)必ずノートに書く。「何か質問はありますか?」と尋ねられたら、用意した質問をぶつけてノートに書きとめる。A「必ず、脱いだ履き物(靴・スリッパ)をそろえる」B「椅子は、必ず元の位置に戻して帰る」C「消しゴムのカス等は、ティッシュに包んで持ち帰るか、ゴミ箱に捨てる」以上の四つです。経営者って、誰も言いませんが、実はA〜Cといった部分をものすごくシビアに見ているんですよ。そういう細かな気遣いがさりげなくできる人が入社してくれることを、切望しているんですよ。というわけで、以上の四つを「面接の奥儀」(?)として伝えます。「あとは、服装とか受け答えとかの一般的な面接のマナーを守るだけ。それで、大体は何とかなるべ」 そうすると、面接で落とされまくりの大学生とかが、何とかなるんですね。ホントですよ!おまけです。意識の高い経営者(面接官)の中には、「今日の面接に備えて、どんな準備をしてきましたか?」と質問する方もいらっしゃるそうです。すると、大半の人は答えに窮してしまいます…。経営者側から見ると、受験者のレベルをはかることができる「魔法の質問」かも知れませんね。 学習指導の先にあるもの塾生・卒塾生から色々な相談を受けるということは、学習塾講師冥利に尽きると思っています。「あの人に相談してみようか…」と思ってもらえるのって、うれしいものですよね♪我々講師陣は、「この人に出会えて良かった」とほんの少しでも塾生に思ってもらえたなら、こんなにうれしいことはありません。さて、学習塾講師という職業を続けてきた中で、「学習指導の先にあるもの(あるべきもの)」をいつも考えます。「成績を上げる」「目標を突破する」これは学習塾として当然のことですが(しかし、これすら難しいものです)、塾での学習指導を通して、「目標を達成する喜びを知ってもらいたい」「ものごとの本質を見極める力を高めてほしい」「やればできるんだという自信をもってほしい」そう常に願っています。 僕らも、学校の勉強以外に塾生に伝えたいことが、山ほどあるんです。このニュースレターに書ききれないことがたくさんあります。最近私は、「大人が子どもに言うウソ」「世の中のウソ」といったものを、ぜひとも子どもたちに伝えたいと思っています。学校では劣等生だったけれども、世の中に出たらグンと良くなった人の話とか、逆に世の中で認められない優等生の話とか、あっ、来月号の内容が決まりましたね(笑)。 |