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平成18年4月 ノートやプリントからわかること塾生から学校の授業のようすを聞いて、ノートやプリントを見せてもらうと、学校の先生の実力と熱意がよくわかります。「うひゃぁ、何じゃこれ?」「おぉ、よくぞここまで手を抜けるもんだなぁ!」(←あのぉ、見られているって意識はないんですか?見ているコッチの方が恥ずかしくなるんですけど)と意識が遠のきそうになったり、逆に、「へぇ、ていねいに熱心にやっているんだね!えらいえらい」と感心したりします。私は長年、中学校(一部高校)の社会科専任講師をしてきましたので、社会科に関してはちょいとうるさいんです。で、今回は、一人のプロの社会科講師としての視点から、学校や学習塾の授業の実態をバッサリ(?)切ってみたいと思います。またまたマニアックなお話ですみません。 眠くなった授業は何ですか?「学生時代、一番眠くなった授業は何ですか?」と質問されたら、何とお答えになりますか?私の場合、ずばり社会科ですね。もう、催眠術にかけられているように眠かったです。教えてくれた先生には申し訳ないけれど、「何で、こんなにつまらない授業をするんだ?」「まじめにやってんのかな?」と、いつも思っていましたっけ。中学1年生のときに習った、担任でもある社会科の先生の授業は、もう史上最悪でした。答えを間違えると、竹のボッコで頭をビシバシ叩くし、そのくせ授業はまったくおもしろくないので眠いだけ。爬虫類みたいに無表情&笑わない先生で、ひいきはするわ、ネチネチと嫌味は言うわで、根性が思いっきりひん曲がったお方でした! さて、私は5教科の中で生徒が眠くなりやすい授業(つまらない授業)のワースト(?)は、国語と社会科だと思っています。教える立場になって実感するのは、(どの教科もそうですが、特に)国語と社会科は、通りいっぺんの授業は誰にでもすぐにできてしまうものの、生徒の興味を引きつけること・生徒を集中させることは難しい。というものです。 理数系がまったくダメな社会科の先生ここだけの話ですが、社会科の先生って、理数系がまったくアウトで、論理的思考力に欠ける人が多いんですよ。例えば、「緯度」ってありますよね。北緯45度とかっていうやつです。私の経験上、この緯度の概念をしっかりと理解できていない社会科の先生って、結構いるんです。「地球上のある地点と、地球の中心と赤道の3点をこう結ぶでしょ。この角度が緯度だよね」「で、赤道に平行に引いたものが緯線。だから、北極・南極では点になるわけだよね」と、図を書いて説明しても理解不能。 「地軸の傾きが23.4度でしょ?ってことは、こういう感じで、赤道より北と南を太陽は行ったり来たりするわけだよね。その限界点が回帰線になるんだよね」と、地球儀を使って何度説明してもチンプンカンプン。 その手の人が、結構多いんですよ。(中学1年生に説明しても、ちょっと難しいものの半分以上の生徒は理解できる内容です) 「流れ」って言うけれどそして、よくありがちなのが、「歴史は、『流れ』を覚えることだ」「そのためには、教科書を何度も読むことだ」と言いきる社会科の先生。うーん、わかっていない&アタマ悪いですね(苦笑)。そういう勉強のしかたは、勉強が苦手な子には難しいし、非効率的で長期記憶として残りにくいものです。「流れ」をつかませるためには、まずは「くい打ち」が必要なはずです。「くい」と「くい」を順序に従ってきちんと結ぶことによって、事件の順番が理解できて、それが「流れ」として理解できるわけです。ですから、「くい」になるべきの最低限の年号を覚えさせたり、時代区分を暗記させたりしなければ、勉強が苦手な子に、流れを理解してもらうことは土台無理ってもんです。 相手にわかってもらうために、相手の思考パターンを分析して、段階を踏んで確実に理解するように仕向けなけりゃ、そりゃ生徒も眠くなりますよね! 地理だって、意外に理屈っぽい教科なんですよ。「○○で鉄鉱石が、××で石炭が産出される。それが結び付いて鉄鋼業がさかんになり、工業地帯がつくられた」とか、「海の上を吹く湿った季節風が、山脈にぶつかって雨や雪をもたらす。冬は日本海側から季節風が吹いてくる。だから、日本海側は冬に雪が多い」 「で、冬は農閑期になるので、副業として地場産業が発達した」とか、暗記以上に大切な、鉱産資源やら気候やらの背景があるんです。こま切れの知識に思える部分も、暗記だけではない、「〜だから〜になったと」いう部分が多分にあるものなんです。 暗記だけでは伸びません余談ですが、「理科や社会科は、暗記すれば伸びる教科」と思われがちですが、それは正しくもあり間違いでもあります。どういうことかと言うと、例えば高校入試の社会科の問題は、資料を読み取る問題が必ず出題されます。グラフや表から数値を読み取って、きちんと計算して正誤を判断する問題や、読み取った結果を述べる問題など、知識を前提に判断推理を経て解答を導く問題(難関私立受験では特に多いものです)が増えているので、知識のみでクリアできる部分は8割といったところです。(要するに、数学の証明といったような思考パターンが、一部の問題に求められるのです) ですから私は、いつも生徒に、「理科や社会科は暗記教科って言うけれど、暗記だけで何とかなるのは、せいぜい8割だよ」「暗記も重要だけど、最小限の知識を使った解法のテクニックこそが大切なんだよ」「意外かも知れないけど、社会科って理屈っぽい部分も多い教科なんだよ」と言っています。 学校からの電話さて、中学校の社会科は、ツボにはまると短期間に爆発的に点数が伸びるものです。「通知表が1から4になった」とか、「2から5になった」というケースもザラにあるものです。昔、何度かありましたよ。学校の先生から電話をもらったことが!いつも定期テストで10点とかの生徒が、いきなり満点近くを取るんです。そうしたら、カンニングをしたんじゃないかと思われて、学校であらぬ疑いをかけられる始末(かわいそう!)。中には、なみだ目で訴える生徒もいるので、「学校の先生に、疑うんだったら塾に電話するように言っておきな」と生徒に伝えておくと、来るんですね電話が!「いったい、何をどうやったらこうなるんですか?」って。 「いやいや、ただ試験対策に時間をかけて、本人が本気でやっただけですよ」とか答えておきますが、そこはプロの企業秘密です(笑)。生徒が、「わかる」「できる」「おもしろい」「なるほど」と感じたら、あとは早いものです。やるべきことをやる。つまり、段階を踏んで、時間をかけて合理的に勉強をすれば、中学校レベルの社会科なら、だれでも定期テストでよい点数を取れるものなんです(ただし、小4の国語力がなければ無理です)。 あんたが悪いの!本気になってやれば、中学までの勉強は何とかなるものなんです。たまに塾生から聞きますが、自分の指導力のなさを棚に上げて、「こんな問題もできないのか!」と、勉強が苦手な生徒を叱る、一部の学校の先生や学習塾講師。昔よりは減りましたが、まだ絶滅していないんですね!【以下、そういう人への反論です】あんた、レベル低いね。はっきり言って、あんたの教え方が悪いの!おまけに、あんたは性格も悪いの!歳が上だからって、相手が傷つくことを言う奴は、性格がねじ曲がってんの。「この問題ができないのは、○○がわからないから。だから、○○をできるように復習しよう」って、優しく筋道立てて言えば済むことだろ? 相手は萎縮してんだよ。勉強ができないことに、劣等感を持ってるの。そこへ、更に追い打ちをかけることを、あんたはやっているの。それって、いじめと同じだよ。そういうことは、やっちゃダメなの。そんなことすらわかんないの?「どうやって、ヤル気を引き出すか?」それが、あんたと私の仕事なの。 教える側は評価される側大体、学校の先生や学習塾講師の学力が、なんぼのもんだっていうの?中には、本当に優秀な人もいるけれど、大半はそうじゃないだろ?中学や高校でトップだったら、医者や大学教授にでもなっているはずだよね。ほとんどは、「中の上か上の下の成績だった」とか、「ある教科だけできた」ってパターンだよね。あんたより優秀な生徒や保護者の方がたくさんいることを知ってるんだろ?だったら、もっと謙虚になんなって。みっともないよ。あんたも私も、見られているの。教えるってことは、評価する側じゃなくって、評価される側なの。生徒たちは、あんたの一挙手一投足をじっくり見ているんだよ。 「人にものを教える」以前に、「人はどうやってものを考えるか」ってことをもっと深く考えな。じゃなきゃ、永久にそのレベルだよ。はい、あんまり失礼な先生には、そう言ってその人の劣等感を自覚させてあげてくださいね!\(^o^)/ |